2018年春アニメ、Amazonプライムビデオで配信されている18作品を(ほぼ)全て第二話まで見たので感想を書いていく。原作は全て未読、『シュタインズ・ゲート ゼロ』以外の二期作品や続編、リメイク作品については前作未視聴である。
ちなみに(ほぼ)としたのは『魔法少女サイト』『蒼天の拳 REGENESIS』を見ていないからである。大したことではないけれど理由も添えて下記に記述してある。是非とも最後までご覧ください。
※見終わりました。完走した作品については下記関連記事を参照されたし。
※2018年夏アニメについては下記を参照してくださいまし。
1. ヒナまつり
原作は大政武夫による漫画。
あらすじは「ヤクザの元にサイキック少女が突然現れてドタバタするコメディ」とありきたりというか、特に目新しいものはなく全く期待せずに見たのだが、予想を裏切るおもしろさ。本当に。
今季一、いや今年一番笑える作品かもしれない。ここに紹介する作品の中で唯一二度見た。飲み物を口に含みながら見てはいけない。あいったー。
製作会社は『月がきれい』で高評判のfeel、監督は及川啓。この組み合わせは私の好きな『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。続』と同じ。後から気づいた。
ちなみに、原作漫画はさらにおもしろいらしい。これよりおもしろいってすごいな。
2. ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン
大人気『ソードアート・オンライン』(川原礫原作)シリーズ。このスピンオフは『キノの旅』が特に有名な時雨沢恵一の筆による。
MMOとFPSが組み合わされたようなゲーム世界が舞台。とは言え、現実パートもある。唐突に始まる第一話と、それから遡って語られる第二話。全くストレスなく見られてあっという間の23分。素晴らしい。キャラ絵はあれだけどロリ要素はほぼないのもニュートラルで好印象。
シリーズファンはもちろん、時間がある人は見て損はないだろう。

ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン (1) ―スクワッド・ジャム― (電撃文庫)
- 作者: 時雨沢恵一,川原礫,黒星紅白
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2014/12/10
- メディア: 文庫
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3. 魔法少女 俺
原作は毛魂一直線による漫画。魔法少女がブーストすると男に変身してしまうというギャグを根底にした作品。
第一話はメタ的なギャグが多く、第二話は「俺」に変身してしまったことに対するギャグで構成されている。個人的には第二話があまりおもしろくなく、途中で見るのをやめてしまった。
4. あまんちゅ!〜あどばんす〜
原作は天野こずえによる漫画。今作は『あまんちゅ!』の二期作品である。海沿いの美しい街を舞台に、ダイビング部の女子高校生3人を中心にした日常系友情物語。
本作の主人公は快活な小日向光だが、語り手は引っ込み思案な大木双葉であるという構図である。で、双葉の心情の機微が丁寧に描かれている。卑屈になりすぎずに前を向いているところも好印象だ。
画は日常系にありがちな萌えに偏ることなく、それでいてかわいい。極めてニュートラルで健全。バランスが良い。
「環境アニメ」として評価が高い。環境保護のことではない。環境音楽とはつまりBGMのことだが、環境アニメとは安心して流しておけるアニメ作品とでも言うところだろうか。疲れではなく癒やしを私たちに与える秀逸な作品だ。
5. シュタインズ・ゲート ゼロ
熱狂的に人気を誇るアニメ「STEINS;GATE(シュタインズ・ゲート)」のエンディングとは別の世界線を描いた続編的位置付けの作品。原作は5pb.によるPS vita/PS4用のゲーム。
前作的な位置付けの『シュタインズ・ゲート』は私も視聴したが、本当に面白くてひっくり返るかと思った。特に第12話からの怒涛の展開。よく練られた秀逸な構成。映画も見た。前作や映画もAmazonプライムビデオで見ることができる。
で、今作。アニメ制作が発表された時から待ってました。ゲームはプレイしていないのでどのような物語なのかわからないけれど、わからないからこそ大変に期待している。
6. ヲタクに恋は難しい
原作はふじたによる漫画。フジテレビのノイタミナ枠。ゲームオタクを隠すことなく飄々としている男性と、オタクを隠そうとしている主人公女性の社内恋愛物語。
特に第二話以降のオタク語みたいなものがやや鬱陶しいと感じられるものの、オタク×恋愛のコンセプトを逸脱することなく物語が進むと思われる。ストーリーの面白さというよりも、共感で視聴者を惹きつける作品であると思う。
とりあえず第三話は見ると思うけれど、その先はわからない。
7. ラストピリオド―終わりなき螺旋の物語―
原案はHappy Elementsによるスマートフォン用ゲーム。所属するクランみたいなものを再建していく話。
なんだろう、可もなく不可もないと言ったところ。つまらなくはないのだけれど、他のアニメ作品の中に埋没してしまう感は否めないと思った。ゲームをプレイしていた人にはおもしろいのかもしれない。残念ながら二話切り。
8. かくりよの宿飯
原作は友麻碧によるライトノベル。祖父の借金の形に異世界(?)へ連れ去られてしまった主人公の女子大生が、その異世界で料理屋を開いて借金の返済を画策する話。世界観としては『このはな綺譚』×『鬼灯の冷徹』×『異世界食堂』と言ったところだろうか。
1話に1エピソードとなると思うので気負わずに見ることができる。どちらかと言うと女性向けのアニメだろうかと思った。悪くはないのだけれど地味な印象で、二話切りとする。

かくりよの宿飯 あやかしお宿に嫁入りします。 (富士見L文庫)
- 作者: 友麻碧,Laruha
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/富士見書房
- 発売日: 2015/04/12
- メディア: 文庫
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9. こみっくがーるず
原作ははんざわかおりによる4コマ漫画。いわゆる「きらら系」の日常アニメである。四人の漫画家女子高生が寮生活を送る日常を描く。
これと言って尖った部分も逸脱した部分もない。つまりは「いつも通り」のきらら系日常アニメであり、安心して見られる。料理で例えれば、こくまろカレーであり、肉じゃがであり、日清カップヌードルである。鉄板だ。但し見る人にとっては「またこのタイプか」と食傷気味になるかもしれない。
第一話の自然を描いた背景がやたら綺麗で驚いた。アニメーションのクオリティも高いと思う。好きな声優さんが出ていたり、この手のアニメが好きだったりするなら見て損はないだろう。はい、私も見ます。
10. 多田くんは恋をしない
オリジナルアニメ作品。OP曲は「ようこそジャパリパークへ」作詞作曲の大石昌良。余談だがこの人、かつてのロックブームでコアなファンを獲得していた「Sound Schedule」の人だったんだな。
喫茶店を営む主人公と外国人ヒロインの身分違いのラブストーリー。鉄板のラブストーリーで安心して見られる感じがする。ちなみにヒロイン役は昨年突如として声優界に出現して何本もの作品に出演している石見舞菜香さんである。いきなり大作のヒロイン役はすごい。
前評判が非常に高い作品であり、今季アニメで見る日作品を一本だけ挙げろと言われたら本作を上げる人も多いに違いない。第二話はちょっと冗長だったが、前評判に乗せられる形で私も追っていこうと思っている。
11. 若おかみは小学生!
原作は令丈ヒロ子による児童文学作品。日曜朝に放送されている子供向けアニメ。1話あたり12分程度のハーフサイズ。
「子供向けかよ」と思いながらも見てみると、これがなかなかおもしろい。無駄がないし、笑いのツボがしっかり押さえられている印象がある。有名な児童文学であるようなので成長物語としてもしっかりしているはずだ。

若おかみは小学生! 花の湯温泉ストーリー(1) (講談社青い鳥文庫)
- 作者: 令丈ヒロ子,亜沙美
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2003/04/15
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12. メガロボクス
『あしたのジョー』を原案としたオリジナルアニメ作品。腕力を増強させるギアをつけて行われるボクシングを題材としている。
印象としてはステレオタイプないわゆるスポ根で、底辺だけど実力のある主人公が大会で優勝するまでを描く一本道のストーリーであると思われる。
果たして今の時代、ボクシングやスポ根、一本道のストーリーが流行るのだろうかという疑問がまずある。もちろん私がそれらをあまり好きではないという先入観からくるものであるとは思うけれど、どうも時代錯誤な感じがしてしまう。
主人公の髪型や作画、登場人物のキャラクター性などを勘案しても、新規ファン獲得というよりは「あしたのジョー」ファンの中高年層に向けたリメイクという感じがする。アニメとしてのクオリティは高い。けど、私は二話切りだ。
13. 魔法少女サイト
原作は佐藤健太郎による漫画。誠に申し訳ないが、レビューをちらりと覗いてみたら「いじめなどの描写が執拗で非常に胸糞悪い」と多く書かれていたので、見ていない。人気作ではあるようだ。
この「胸糞悪い」がカタルシスへと変わったとの情報を耳にしたら見てみようと思う。胸糞のままだったらたぶん見ない。ファンの人すいません。
14. 蒼天の拳 REGENESIS
北斗の拳シリーズの過去を描く物語。原作は原哲夫による漫画。
Amazonプライムの予告でちらりと目にしたのだが、CGアニメーションが結構ひどい。動きが不自然。違和感。レビューでも同様の指摘が多くされている。
北斗の拳に殆ど関心がなく、加えて上述の通り違和感を残す作品になっているようなので、見ていない。既存ファン向けの作品であると思われる。
15. 銀河英雄伝説 Die Neue These
原作は田中芳樹によるSF小説。昭和の終わりあたりに一度アニメ化された作品のリメイクだそうである。昔のアニメやSFに疎い私でも「銀河英雄伝説」という名前だけは聞いたことがあるので、かなりの人気作品なのだと思う。
宇宙を舞台にした戦争の話である。登場する主要人物は指揮官で、第二話までを見る限り戦略ベースの展開になるのだと思う。「宇宙を舞台にしたSFかよ、苦手だな」と思いながら見始めたのだが、意外とおもしろい。見続ける予定である。
こういった気宇壮大なSFは20世紀にブームがあったように思う。スタニスワフ・レム然り、ダグラス・アダムス然り、宇宙戦艦ヤマト然り。21世紀に入ってからは宇宙を舞台にしたイケイケな話よりも、リアリズムに徹した物語が好まれているように個人的には感じる。異世界転生モノもどちらかと言えばリアリズムだ。少なくとも地に足はついている。
本作を俯瞰するなら、このような誇大妄想的なSFが今の世代のユーザーに受け入れられるかどうかの分水嶺になるように思う。この銀河英雄伝説のリメイクが若い世代に受け入れられないのなら、ひとつの時代が終わったと言っても言い過ぎではあるまい。
16. ハイスクールD×D HERO
原作は石踏一榮によるライトノベル。かなりの人気作品のようでアニメ第四期だそうである。
たぶんこの馬鹿馬鹿しさが良いのだと思う。「ハーレム王に俺はなるっ!」のキャッチコピー通りのストーリーである。私は第0話のおっぱいの歌が出てきたあたりで脱落した。すいません。
声優陣は豪華。復帰した種田さんも出てる。

ハイスクールD×D 25 夏期講習のユグドラシル (ファンタジア文庫)
- 作者: 石踏一榮,みやま零
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2018/03/20
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17. フルメタル・パニック! Invisible Victory
人気作品の13年振りの新作。第四期だそうである。ロボットアニメ。
おそらくストーリーや世界観がわかっていないと作品に没入できないと思われる。と言うのは、予備知識なしで見た私がさっぱりわけがわからなかったからだ。
大変に評判な作品であり、Amazonプライムビデオで一期からラインナップされているので、時間があれば見てみたい。今作に関しては二話切り。
18. Caligula -カリギュラ-
原作はPSVita用のゲームソフト。
シーンが断片的に提示されジグソーパズルのように謎めいた第一話は最高だった。ストーリー的にどうやら歌が鍵になっているようなのだが、それも素晴らしい。特にパニックシーンであの綺麗な歌が流れるシーンは常套手段と言えども大変に好きである。
謎を残したまま最終話で全ての伏線回収、という展開を希望するが、果たしてどうなるだろうか。期待して見続けたい。
おまけ1. ウマ娘 プリティーダービー
原案はcygamesによるスマートフォン用ゲーム。強力にメディアミックス展開されており、相当に力が入れられている。Amazonプライムビデオには追加されていなかったが、気になっていた作品であり、第一話だけは無料で見られたので見た。
おもしろいです。はい、おもしろいしクオリティも高いんだけど、とにかくカオス。
ウマ娘と呼ばれる競走馬の擬人化キャラが主人公。名前はスペシャルウイーク。競走馬の名前そのままかよ。ウマ娘には馬のような尻尾が生えているが、誰もそれをツッコまない。ウマ娘と人間が平和的に共存している世界なのだろうか。細かいことは気にするな。
ウマ娘は走るために生まれてきたらしい。レースは競馬と同じで、馬がウマ娘に変わっただけである。ゲートに入り、コースを走り抜ける。で、レースが終わったらウマ娘はアイドルのように歌って踊る。なんでやねん。ウマ娘はハードワークだ。世界観がカオスな上にツッコミ不在。
アニメーション制作はなんと『花咲くいろは』『SHIROBAKO』などのお仕事シリーズで高い評価を受けているP.A.WORKS。どおりでクオリティが高いわけだ。監督は及川啓。なんと今季は上に挙げた『ヒナまつり』との掛け持ちであるらしい。そんなことが可能なのか。
何やかんや書いたけれど、まさに今季のダークホース。プライムだったら第二話以降も見てたのに。
おまけ2. 3D彼女 リアルガール
原作は那波マオの漫画。実写映画化もされているようだ。アニメOPはくるりの優しい曲。オタクで根暗な男主人公が、快活で学校一の美女と交際を始める物語。Amazonプライムビデオにはラインナップされていないが第一話だけ無料だったので見た。
やばい。これは青春ゾンビにとってのあざとい会心の一撃だ。やばすぎ。
主人公男があまりにも卑屈にすぎ、そういったモノローグが多すぎるというきらいはあるものの、それをマイナスとしても充分におもしろく見られる。ヒロインの女の子がかわいい。ゆるふわな外見もそうだけど、かすれたような声が特によろしい。ストーリー上、彼女は何か大きな秘密を隠し持っているようだ。
ニコニコで最新話だけ無料で見られるようなので追いかけていきゾンビ化しようと思う。
で、おすすめは?
上に紹介してきた作品から私の独断と偏見でおすすめ作品を5作品挙げよう。余談だが、結局は完走するのって5作品くらいに絞られてしまう気がする。
・ヒナまつり
・シュタインズ・ゲート ゼロ
・ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン
・多田くんは恋をしない
・3D彼女 リアルガール
気になる作品はあっただろうか。参考になれば幸いである。
以上「2018年春アニメ!Amazonプライムビデオで見られる18作品を第二話まで見た感想」でした。
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