自分がAmazonプライムビデオでアニメを熱心に見始めたのは1年くらい前からなのだが、その中でも2018年秋アニメは強力な良作が揃っている実感がある。あれもこれも完走したい。
例外はあるけれどおおよその作品を第2話まで見たので感想を書いていこう。特に断りがない限り原作は未読、続編作品は前期未視聴である。
※下記の22作品の中に「dアニメストア for Amazonプライム対象作品」が混在してしまっている。Amazonプライムビデオ対象と勘違いして感想を書いてしまい、後で気づいたのだった。当該作品については「dアニメストア for Amazonプライム対象作品」と明記してある。
1. 色づく世界の明日から
P.A.Worksによるオリジナルアニメ。西暦2078の未来から魔法によって過去の2018年に送られた月日瞳美の物語。
第2話までの時点で、なぜ主人公は過去に送られたのか、魔法とは何なのかが全く説明されないにも関わらずこんなにも魅力的な作品であるのは、圧倒的な映像美のためだろう。映画かよってレベル。
今季イチの話題作と言っていい。完走を目指したい。
2. 寄宿学校のジュリエット
原作は金田陽介による漫画。対立する2つの国家の生徒が通う寄宿学校を舞台にしたラブコメ作品。『ロミオとジュリエット』を底本にした物語。
ライトに鑑賞できるラブコメ作品である。ペルシア様(ジュリエット)の内面が殆ど描かれず、美しくて明確な意志がありながらもミステリアスな存在であるのが魅力的である。
おもしろいんだけど、相対評価で2話切りかな。
3. ゾンビランドサガ
MAPPA × エイベックス・ピクチャーズ × Cygames共同企画のオリジナルアニメ。
とりあえず最初の1分でいいから見て欲しい。出オチと言えば出オチなんだけど、ここからカオスな物語が始まる。今季イチのぶっ飛んだダークホース。第2話時点でまだまだおもしろい。
この勢いを維持して驀進して欲しい。期待している。
4. ゴブリンスレイヤー
原作は蝸牛くもによるライトノベル。「このライトノベルがすごい!2017」の新作部門で1位を獲得。
第1話でのゴブリンによる陵辱シーンが話題となった。私も「ゴブリンとは何ぞや...?」と哲学的な思考に陥りつつあったが、それがこの作品の世界観なのだと理解した。
第2話は見ようかどうか迷ったのだが、結局は見て正解だった。スレイヤーの長いモノローグは聞き応えがあり、物語を硬派で重厚にしている。切るのは第2話を見てからでも遅くないぞ。
第3話以降も見続けて完走を目指したい。
5. ガイコツ書店員 本田さん
dアニメストア for Amazonプライム対象作品。
原作は本田による漫画。書店員の日常やちょっとしたトラブルを描いた作品。
フラッシュアニメーションみたいな簡素な作画であり、本の話題はBL等の話題が多めな印象。15分アニメなのでサクッと見られるのは良い。
残念ながら2話切り。

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6. 走り続けてよかったって。
代々木アニメーション学院のプロモーションのようなアニメ作品。声優を目指す主人公たちの青春物語。
表現や物語はストレートで良いのだが、もう少しひねりが欲しいかなという印象。現時点ではご都合主義でどこかで見たような話の寄せ集めという感じがどうしてもしてしまう。
2話切りかな。
7. SSSS.GRIDMAN
1993年から1994年にかけて放送された円谷プロの特撮ドラマ『電光超人グリッドマン』を原作とする完全新作アニメーション。
特撮のグリッドマンについては全く知らず、その上ロボットアニメが苦手なので正直見るのは気が進まなかったのだけれど、意外と好印象であった。グリッドマンが主役というよりは、高校生の群像劇が主軸。
アニメーションはクオリティが高く、ドラマティックな構図が多くて見ていて飽きない。かなり優秀な監督さんなのだと思う。
とは言え、作品のテーマであるグリッドマンとやらが出てくると個人的に興冷めしてしまうのだった。ヒロイン二人の声優さん(CV:宮本侑芽、上田麗奈)の声が大変に好きである。
第3話以降も見ると思うけど、グリッドマンが出てくるシーンは飛ばすかもしれない。
8. 転生したらスライムだった件
dアニメストア for Amazonプライム対象作品。
原作は伏瀬によるラノベ作品。かなりの人気作品で、各種メディアミックス展開も行われているようである。待望のテレビアニメ化。
第1話では物語設定の説明が延々と続いて辟易してしまった。第2話でもテンポが良いとは言い切れず、会話劇も退屈で途中で見るのをやめてしまった。画があまり動かないのも原因の一つだろうか。
今季の話題作の一つだけれど、合わなかった。残念だ。気が向いたらまた見るかもしれない。
9. ソラとウミのアイダ
原案はフォワードワークスより配信されているスマホゲーム。原作は『サクラ大戦』の広井王子。
はい、出ました。今季最大の問題作。あらすじは「地球から魚が消えた未来、男女雇用機会均等法の強化によって女性も漁業に従事することができることになったので、少女たちが宇宙に作ったいけすで漁業をする物語」。は?
ツッコミどころを挙げれば枚挙に暇がない。1分に3回は「は?」と思うことができて、本当に爆笑した。それと、こんなにも棒読みな声優さんの演技は久し振りに聞いた。
怖いもの見たさで第1話だけでも是非とも敢えて見て欲しい。ゾンビランドサガとは違う爆笑がそこにある。
10. やがて君になる
dアニメストア for Amazonプライム対象作品。
原作は仲谷鳰による日本の漫画。俗に言う百合作品であるが、そのようにカテゴライズして避けてしまうのはもったいない秀作。
今季では『色づく世界の明日から』と並んでアニメーション、演出が美しい作品だと思う。心の揺れなどの内面が繊細に描かれている。純然たるラブストーリー。
『citrus』は1話切りしてしまったが、これは見続けたいと思う。
11. 火ノ丸相撲
原作は川田による日本の漫画。横綱を目指す熱血高校生の話。
いかにも少年漫画というストーリーだと思う。個人的に合わないかなと言った印象で1話切り。ED曲は「オメでたい頭でなにより」というアーティストで少年向けアニメとしては攻めてる印象がある。
12. ひもてはうす
オリジナルアニメ。投資型のクラウドファンディングと製作委員会方式の両方を採用していることに加え、声優さんの収録にアニメーションを合わせるプレスコ(対義語はアフレコ)など、やや実験的な手法で作り上げられている。
CGアニメーションによるハイスピードな会話劇。出演している声優さんのファンが見るとおもしろいのだと思うけれど、何もわからずに見るとどうなんだろう。
12分アニメなのでサクッと見られる。なんやかんやで好印象。たぶん3話以降も見る。
13. からくりサーカス
原作は『うしおととら』の藤田和日郎による漫画。
原作ファンにとっては待望のアニメ化らしく、Amazonのレビューでは殆どが原作既読者の高評価で占められている。
原作未読者の私の私見をざっくばらんに述べると「作画が古い」「組織の陰謀みたいな物語は古い」「笑わせないと死ぬ病気っていうのが理解不能」というマイナス採点である。ファンの人、申し訳ない。
評判によればストーリーがとてもおもしろい感動作らしいので見て損はないのだと思う。もったいないかもしれないと思いつつも2話切り。
14. ユリシーズ ジャンヌ・ダルクと錬金の騎士
原作は春日みかげによるライトノベル。イギリスとフランスの百年戦争のさなかに友情で結ばれたフランスの少年少女の物語。
作画はきれい。ただ、「ユリシーズ」「ジャンヌ・ダルク」「錬金術」とかなり大風呂敷を広げたキーワードが羅列されているが大丈夫だろうかという懸念がある。また、「ユリシーズ」って言葉は英語読みだと思うんだけれど、フランスを舞台にした物語なのにそれはどうなんだろうと思った。
ストーリーにリアリティが感じられず、なかなか頭に入ってこない。完全なるファンタジー。息抜きには良いアニメかと思うけれど2話切りかな。

ユリシーズ ジャンヌ・ダルクと錬金の騎士 I (ダッシュエックス文庫DIGITAL)
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15. ソードアート・オンライン アリシゼーション
原作は川原礫によるライトノベルで、本作「アリシゼーション」は第9巻から14巻までを映像化。計4クール1年をかけてアニメ化される壮大なプロジェクトである。原作未読、1期とGGOは視聴済。
鳴り物入りのプロジェクトだけあって第1話からとてもおもしろい。格の違いを見せつけられた感がある。Amazonのレビューでは、作品中で説明されている記憶に関する脳科学が主流の学説と違うことが指摘されているが、それを鑑みてもおもしろいことには変わりない。
まだ見ていない2期もAmazonプライムビデオで配信されているので、並行して見ようと思う(時間が足りない...)。

ソードアート・オンライン (9) アリシゼーション・ビギニング (電撃文庫)
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16. 蒼天の拳 REGENESIS ~天斗聖陰拳編~(二期)
原作は原哲夫による漫画。
Amazonプライムの広告で本作がよく出てくるのだけれど、CGアニメーションの動きに大変なる違和感がある上、原作にもあまり関心が持てないので未視聴。
17. メルクストーリア-無気力少年と瓶の中の少女-
原案はHappy Elementsによるスマホゲーム。
モンスターを癒やして無害化する癒獣士の少年と妖精みたいな瓶詰めの少女との冒険物語。癒獣士なる聞き慣れない能力及び職業が物語の前半で自然と説明されていたのには感心した。
文句の付けようがない佳作である。但し、逆に言えばこれといった特徴もないというのが正直なところ。好印象ではあるので気が向いたら3話以降も見るかもしれない。
18. うちのメイドがウザすぎる!
原作は中村カンコによる漫画。ロシア系少女と自衛官上がりのメイドとのドタバタを描いたコメディ。
『ガヴリールドロップアウト』『干物妹!うまるちゃん』でお馴染みの動画工房 × 太田雅彦監督による約束された良質な日常系アニメ。
ただ本作は上で挙げたガヴリール、うまるちゃんに比べると特に笑いがいまいちに感じた。個人的な嗜好の問題なのだと思う。ロリ、ショタ、変態性強め。
アニメーションは超一級でヌルヌル動く。動画工房の仕事には毎度感心する。だけど2話切りかな。

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19. となりの吸血鬼さん
原作は甘党による日本の4コマ漫画。
上で挙げた『うちのメイドがウザすぎる』よりも日常系としてはこちらのほうが好きである。飄々とした吸血鬼はガヴリールに似ている(どちらの声優さんもCV:富田美憂)。
特に欠点のない佳作である。日常系の王道。良質な息抜きになる。時間があれば3話以降も見たい。
20. RELEASE THE SPYCE
『ゆるゆり』のなもりがキャラクター原案、『結城友奈は勇者である』のヒロユキが企画原案・シリーズ構成を務めるオリジナルアニメ。
期待が高すぎたのかもしれないけれど、正直言って第1話時点でよくわからない。スパイスが出てくる意味も不明だし、高度なロボみたいなものが出てくるが時代設定も謎。
ただ『結城友奈は勇者である』も第5話くらいまではどこを目指しているのかわからず困惑したが、後半はその前半が重要な伏線になっていたので、同じようになればいいなと思う。
第2話では物語が少し動いてくる。とりあえずは見続ける予定である。OP曲が良い。
TVアニメ【RELEASE THE SPYCE】オープニング曲「スパッと!スパイ&スパイス」Music Video試聴Ver
21. BAKUMATSU
レビューによれば日本の歴史上の人物が時代を越えて集結しBLする話だそうである。未視聴。
22. 俺が好きなのは妹だけど妹じゃない
原作は恵比須清司によるライトノベル。今季のおっさんほいほい枠。
最初の2分で私たちに強い遺恨を残した『妹さえいればいい。』に通じるものがある冒頭の10分間。謎のエロ表現が散見されるが、あれ、必要だろうか? 第2話で作画崩壊とやや話題になっているが、第1話から結構きている。アヘ顔Wピース先生はわけがわからなすぎて爆笑した。
とは言え、物語の骨子はしっかりしていて先の展開は気になる。4話くらいまでは見てもいいかなという印象。

俺が好きなのは妹だけど妹じゃない (富士見ファンタジア文庫)
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番外編:青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない
原作は鴨志田一による「ブタ野郎シリーズ」のライトノベル。第1巻である『青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない』だけ原作を読んだ。おそらくシリーズの4〜5巻あたりまでが映像化されると思われる。
原作を読んだ者からするとかなり駆け足の展開だけれど、要点は掴んでいて好印象である。このペースだと原作1巻あたり3話を費やす感じになると思う。
雰囲気は非常に落ち着いている。私見では『サクラダリセット』よりは快活で『俺ガイル』よりはクールといった感じ。いずれにしても秀作になると思われる。
原作者の鴨志田一氏の作品では私は『Just Because!』(シリーズ構成・脚本)が大変に気に入っているので、本作も同じくらいに期待したい。Amazonプライムビデオでは配信されていないのでニコニコで見ている。
で、おすすめは?
紹介した中からおすすめ5作品を挙げていくと、
1. ソードアート・オンライン アリシゼーション
2. 青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない
3. 色づく世界の明日から
4. ゾンビランドサガ
5. ゴブリンスレイヤー
次点で、
・やがて君になる
・SSSS.GRIDMAN
・RELEASE THE SPYCE
・となりの吸血鬼さん
あたりだろうか。ここから完走するのが4〜5作品くらいになると思われる。以上「2018年秋アニメ、Amazonプライムビデオで見られる22作品を(だいたい)第2話まで見た感想」でした。参考になれば幸いです。